おそらく、というか確実に、世界初のイベント「プロポソン」に参加しました。
プロポソンは、次のとおり。
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ハッカソンをもじって、提案(”proposal")とマラソン(”marathon”)を合わせた造語。
共同作業によりRFPを作ったり提案書を作ったりして学びあいます。
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今回は、RFPを作る回で、次回が提案書を作る回。
2回セットの1回目です。
マラソンというには時間が少なくて、マラソンというよりウォーキングという感じでしたが、その緩さもまたよし。
次回は提案の回なので、ますます楽しみ!
とにかく、世界初のイベントに参加できてよかった。
1. 解説[30分位]
RFP作成のポイントについて、解説がありました。はじめにインプットがあるのはいいですね。
内容は、「こんなRFPは嫌だ!」というタイトルで楽しくRFPの重要な点を学べるものでした。
2. ワーク[1時間位]
たたき台のRFPがあって、チームごとにRFPを自由に修正して練り直します。
私のチームは以下のような感じで進みました。
みんなで話した経験や意見
- 提案って属人化してる
- 99.9999%の信頼性を求めているけど、あえてみせない。口頭では言っている。明記しないのは法律とか色々あるから。何かあったら聞いてくれと言っている。検討する時間は与える。
- 区長のビジョンって何?
- 江東区民ってどんな感じ?
- RFP出したの誰?
- 何人で運用してるの?いろんな部署の人が掛け持ちでやってたり。
- アイディアは区民から集めるときもある
- デザイナーは地元の人を使うと嬉しい
- ポイント制:何回ヒアリングしたか?我々の情報を聞こうとしたか?調整能力があるか?地元のことを考えてる?
- 提案書の量で体力があるかをチェック
- 江東区の本音。地元にやってほしい。安くしてほしい。区長が目立つように。本音に誘導するのがよい。
- 官公庁とかはプレゼンが少ないのが違和感。民間は苦労したところの経験を評価する。
- 民間は、事前にデモ、ユーザー見学をしてから決める。
- キャリア系のRFP。価格の前に条件が揃っていないと評価できない。条件を揃えないと評価をしにくい。
- 公示されてから質問にいけるのか?
- 予定価格がわからない。担当者も不落にしたくない。官公庁は事前に見積依頼があるのでわかる。教えてくれないものもある。
どうやってRFPに手をいれるか
- 組織の体制や人物関係を決める
- 評価項目を1にあわせて直す
組織の体制や人物関係についての議論
以下の様な感じで内部のステークホルダー間で一枚岩になっていないという想定に。
- 区長肝入。区長は目立ちたい。選挙に当選したい。スマホ対応したい。
- 区長はtwitterやってる。最近やっててはまってるだけで、あんまりわかっていない。でも、本人は技術に詳しいと思ってる。
- 財務課:安くしろ、スマホとかいらない。
- 企画課、広報課:みやすく、写真をUPしやすく。ITの知識がなくても、自分たちでできるようにしてほしい。
- 情シス:技術的なフィージビリティ、スケジュールを重視。(他の課はそれを気にしてなくて困ってる。)
修正した評価基準
黒字がもともとで、青字が修正したところ。
5. 技術点評価基準
(20) [要件(1)]近年のインターネット利用状況を適切に把握し、より多くの区民が閲覧しやすいホームページとなる提案が具体的に示されている。
=> みやすいホームページにして、写真もたくさん載せられる仕組みになっていること。ITの知識がない職員でもコンテンツを掲載できるインターフェースを備えていること。
※CMSとは言わないが、そのイメージを持っている。
企画、広報:みやすく、写真をUPしやすく。ITの知識がなくても、自分たちでできるようにしてほしい。
(10) [要件(2)]高齢者のインターネット閲覧状況を適切に把握し、高齢者にやさしいホームページとなる提案が具体的に示されている。
※あえて言わないが、ユニバーサルデザイン、アクセシビリティ対応を評価する。
(10) [要件(3)]他の自治体や江東区の他のページの特徴や傾向や最新のトレンドを把握し、他との差別化を図った独自のデザインを実現するための方法や画面サンプルが具体的に示されている。
※情シスはログ分析、企画はアニメーションとかを重視したけど、まとまらなくてこんな曖昧な感じになった。
(20) [要件(4)]区長からの最新メッセージを区民に迅速に伝えられるような仕組みが具体的に示されている。
=> Twitter,FacebookなどのSNSに対応し、スマートフォンでもみやすいホームページになっていること。
※市長の気持ち。あえて言わないが、情シスはレスポンシブデザインを高く評価する。
(10) [要件(5)]閲覧するたびに変化する仕組みを設け、何度も閲覧したくなるホームページとするための機能が具体的に示されている。
=> 広報はゆるキャラ希望、ゆるキャラの人気が高まるように。財務系の人は広報にのっかってゆるキャラ販売したい。市長は市長が目立ちたい。情シスはどっちも反対。で、まとまらなかった。
(10) 他のホームページで実現している技術や採用するなど、実現性が高く、開発期間内で実現可能であることが客観的に判断できること。
=> 情シスはスケジュールとか体制とか、実現可能性を重視している。他はあまり気にしてない。
(20) その他、目的に沿った、有用な追加提案がある。
3. 共有[30分]
各チーム、着眼点が全然違ったので面白かった。
(全3チームで、我々はBチーム)
Cチーム
Cチームは、どうすれば正しいRFPになるかを議論したようでした。
- いつ始まって、いつ終わる
- いつ開示されて、いつ出すの?
- 区役所側の体制?
- 目的で課題についてちょっと書いているけど、もっと具体的に書いてほしい。
- 目的と要件がリンクしていない。
- 提案の提出物などの情報が足りない。
- 配点の重み付けがわからない。
- 要件がよくわからない。答えにくい。
- 提出物、プロジェクトがはじまってからのスケジュール。
- 予算もだしてほしい。
- 前提条件がなかった。ボリュームとかサーバーは入るのかとか。
- 評価基準は定量的、定性的がわかった方がいい。
- 目的の中に「劣り」など、マイナスの表現は役所ではありえない。
質疑
- 裏の情報とかどうしようとしましたか?
=> 裏の情報はなく、公平にというスタンス。 - 誰が最終意思決定者でどれが一番重要?
=> あまり議論しなかった。区長じゃないの位。実際は評価委員会。 - RFPが曖昧すぎてどう提案していいかわからない。これも曖昧。具体化すべきか曖昧にして幅広にすべきか?
=> 最低限の条件はあって、貴社の知見にもとづき最適の的な。発注側が検討してるなら伝え、そうじゃないなら曖昧のまま。あえて細かくしないで理解を求めることは結構ある。
=> 曖昧なものは、情報化推進基本計画(情報政策課などが外部コンサルに委託してつくる)などがあって、それに沿っているかで評価する。
=> 内閣官房、総務省が情報通信の計画をだしている。CIO補佐官がいるところもあるが、つくるところからは入らず、できたものを評価するだけ。
Aチーム
Aチームは、全体構成を中心に議論したようでした。
- これって誰がつくって、何をほしいの?
- 区長、企画課長・・・の中の担当者がつくったんだろう。
- 過去のバックグラウンドと目的がまざってるので、分けたほうが良い。
- サーバーとか、非機能要件とかは書いたほうが良い。
- 参加資格がいる。
- 提案方法がプレゼンしか書いていない。提出する内容。スケジュール、会社概要、実績、見積もりなど。
- 審査方法の価格と技術が1:1だけど、技術を高めたほうがよいのでは。
- 契約条件がない。Pマーク、PMPなどなど。
- 予算は?
感想
とても書ききれなかったけど、色々な観点でたくさんの意見がでた。
全体としてとっても緩い勉強会なんだけど、議論は活発。
次回は、実際に提案する回なので、今回よりも楽しみ!
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