UI/UXに限らず、業務システムの業務ヒアリングなどでも使えるとてもよいワークショップでした。
v=f(x):「ユーザーの声を聞くべからず」
ユーザーインタビューなのに、ユーザーの声を聞いてはならない。それはなぜ?
ユーザーの声は、ユーザーの体験をユーザーが分析したものだから。
v=f(x)のvはボイスで、xはUX。
UXを素人であるユーザーが分析した結果であるユーザーの声を聞いてはならない。
ユーザーの体験そのものを理解し、我々が分析しなければならない。
弟子入りゲーム
アンケートもグループインタビューもユーザーの声を聞く手法。では、どうやって、ユーザーの体験そのものを知るのか。
その答えが「弟子入り」。
ユーザーを師匠と見立て、弟子になったつもりで聞く。
基本
基本は次のとおり。- クローズド質問(Yes/Noで答えられる)ではなくオープン質問(体験を自由に語ってもらう)
- 文脈をクリック(気になるところがあったら、そこを掘り下げる)
- 意見や判断を聞かない
- 仮説検証(こうだったらどうします?)はダメ、体験を聞く
ゲーム1回目(5分で3センテンス正解)
師匠(ユーザー)と弟子(インタビュアー)に分かれます。師匠は、ユーザー体験がA4で4ページくらい書かれたスクリプトを読んで、ユーザーになりきる。
弟子は、インタビューをして、師匠の体験をインタビューして書き取る。
さて、どのくらい聞き取れるでしょうか?
私はボロボロで3センテンスしか正しく聞き取れませんでした。
ゲーム2回目(10分で15センテンス正解)
インタビューの仕方を少し教わります。コツは次のとおり。
- 占い法はダメ(当てに行かない)
- 次は何をします?と聞いていく
- ある程度いったら、戻って、その前は何をします?と聞いていく
- 知ったつもりにならない
これを聞いた後、やり直したら、びっくりするくらい正しく、多くスクリプトを読み取れました。
1回目の後だし、時間も倍になっているので当たり前ではありますが、コツを意識するだけで、圧倒的にやりやすくなりました。
(1回目はアンチパターンの「占い法」でいってしまっていました。。。)
インタビュー設計
KJ法
聞きたいことリストをKJ法で整理します。
KJ法はおなじみですが、少し誤解があるそう。
- 似たものを近くにするとき、今、貼られているカードの中での相対的な距離で考える
- トップダウン的思考になるので見出しを先につけてはダメ、あくまでボトムアップ思考
- 縦横整列させず、空間をめいっぱい使う
写真は私のチームの成果物です。
シーケンス+質問を考える
次に、インタビューのシーケンスを考え、見出しと聞きたいことを一列に並べます。
その後、質問を考えます。
質問は、弟子入りゲームで学んだことを活かして考えます。
写真は私のチームの成果物です。
※見出しのカードの字体が素敵でしょ。チームにたまたま不思議書体女子がいました(^^)
懇親会
懇親会が熱かった!リアルタイムドキュメンテーション
リアルタイムにドキュメンテーションする方法らしいです。
1チームが実験台になって、スタッフに観察+リアルタイムドキュメンテーションされ、これを使ってふりかえりが行われました。
カードの分類は以下のとおり。
- 黄色カード:事実の記録
- 黄色カードに赤い枠:講師の言葉
- 青カード:観察者の主観(気になったコト)
- 青ミニ付箋:残念な点
- 赤ミニ付箋:よかった点
これを観察者が説明して、観察されたチームが反論するというもの。
はじめてみたのですが、とても面白かったです。
でも、やるのはちょっと難しそう。。。
アプリデモ
UI/UXの賞をとったIMJさんの子供向けアプリ。
本当に、UI/UXが考えられたおもしろいアプリでした。
メンタルモデル
書籍「メンタルモデル」の訳者の1人、羽山祥樹さんによるメンタルモデルの解説。
その解説に、今回の講師の樽本さんが割り込んでディスカッション。
熱かった!
ちなみに、メンタルモデルは「ユーザーが期待、想像するもの」的なメンタルモデルとは別。
行動観察ではなく、インタビューから読み取るものなのでメンタルモデルと名付けられたそう。
混同するからよくないよね。
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